建設業界もナフサ

query_builder 2026/05/30
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日本のインフラや住まいを支える建設業界が、今、目に見えない「原料の危機」に直面しているのをご存知でしょうか。

 

木材の価格が高騰した「ウッドショック」は記憶に新しいところですが、現在、それ以上に深刻な影を落としているのが「ナフサ(粗製ガソリン)の不足」に端を発する素材不足です。

 

この問題、建設業界だけにとどまらず、私たちの生活のあらゆる場面に波及しています。「ナフサ」という原料の重要性を他業界のエピソードも交えて考えてみたいと思います。

 

〇そもそも「ナフサ」とは?

ナフサとは、ご存じのとおり、原油を蒸留することで生まれる中間製品で、「石油化学コンビナートの主原料」となるものです。プラスチック、合成ゴム、合成繊維など、世の中にある多くの化学製品の「生みの親」であり、日本だけでなく世界中のものづくりを根底で支えています。

 

そのため、ナフサの供給が滞ると、建設業界だけでなく様々な業界で、そして一部の産油国などを除いた世界中で悲鳴が上がります。

 

〇他業界を襲う「素材不足」のエピソード

自動車・タイヤ業界:

タイヤに不可欠な「合成ゴム」や、車体を軽量化するための「樹脂パーツ」の原料。半導体不足からようやく回復したと思いきや、今度は「タイヤや樹脂パーツが足りない」という新たな壁に直面しています。

 

食品・流通業界:

お弁当の容器、ペットボトルのキャップ、商品を包むフィルムや梱包用のプチプチ(緩衝材)にいたるまで、すべてナフサ由来のプラスチックです。素材が出回らないことで、パッケージのデザイン変更を余儀なくされたり、梱包資材の値上がりがそのまま食品価格に転嫁されたりしています。パッケージが白黒印刷になる“あの”お菓子も。

 

アパレル業界:

ポリエステルやナイロンといった「合成繊維」の調達コストが跳ね上がり、ファストファッションをはじめとする衣料品の値上げ構造に拍車をかけています。


医療業界:

医療業界でも多くのナフサ由来製品が有ります。衛生面から使い捨ての医療器具も多く、器具本体やパッケージ材料の不足が心配されています。

〇建設現場を見渡すと、そこは「ナフサ由来だらけ」だった

他業界がパッケージやパーツの不足に悩む中、建設業界では「建物が作れなくなる」という問題に発展します。なぜなら、建設現場はナフサから作られた資材であふれているからです。

 

・塩化ビニル管(塩ビ管): 水道や排水を通すための配管

 

・断熱材: 住宅の省エネ性能を高める発泡ウレタンや発泡スチロール

 

・壁紙(クロス)や床材: 内装に使われるビニール製の資材

 

・塗料・接着剤: 外壁の塗装や、構造材を接合するための必須部材

 

自動車業界が「パーツがなくて車が組めない」と言うように、建設現場でも「水道管が届かない」「内装のクロスが来ない」といった事態が発生しているのです。

 

〇私たちの暮らしへの影響と、これからの対策

世界的な情勢不安や原油価格の高騰により、ナフサの供給不安は今後も一朝一夕には解決できそうにありません。

 

これは一般消費者にとっても人ごとではありません。新築やリフォームを計画しても、「見積もりの有効期限が(価格変動が激しすぎて)1週間しか設定されない」「工事費用が予想より高くなる」「入居時期が数ヶ月遅れる」といったリスクを覚悟する必要がありそうです。

 

今後の対策としては、調達先を広げること。ほかに水素からナフサを生成する技術もあるそうですが、やはり商用化に向けて低コスト化という課題があるようです。


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